2005 11月18日〜20日 タミヤワールドチャンピオン戦レポート
(参加者:かずま&とーちゃん、クラス:N1、シャーシ:TA−05)

<第3部:最終日・予選ファイナルR&決勝編>

<予選最終ラウンド>

いよいよ静岡での最終日です。
かずまの表情はあまり緊張してないようで、いたって普通、リラックスしてるようで一安心です。
くわとろさんと合流して、この日は無事にツインメッセへ(^^ゞ

支給モーターをもらってからいよいよ入場。
後はもうやるしかない、って感じですね。

この日のスケジュールは予選最終ラウンドの後、3回の決勝ラウンドとなるのでかなり忙しい日程になります。
決勝に向けてこの予選最終ラウンドでひとつでも順位を上げておきたいところです。
昨日の世界戦スケジュール終了後に、おなじみの70分耐久レースが行われ、例年だと路面もこの時に一番コンディションが良くなるので、チャンスを生かしてなんとかポジションをあげたいところでした。
また、この朝一のラウンドでの順位がその後の決勝に大きく影響するので、なんとしても上位を狙っていかないといけないのです。
昨日足を引っ張ってしまったモーターも、なんとか今度はいい形で仕上げられるように気合入れました。

そして予選4ラウンドがスタートしました。
頼む、路面上がっててくれ、と祈るような気持ちでレースを見守ります。
そして、いきなり第1ヒートのGTクラスで関西代表・高谷選手が自己ベスト更新の14.2のラップをマーク、このヒートトップタイムで予選を4位で通過!路面は下がってることはなさそうです。
その後のワールドチャレンジクラスでもTRF前住選手がなんと12秒台のラップをマーク、予感が確信に変わりました。路面はあがってるのは間違いなさそうです。

いよいよかずまの出走する7ヒートが巡ってきました。
そしてスタート、2列目グリッドから飛び出していきましたがインラップで前を走る2台を交わして真っ先にタイムアタックへ!
モーター、バッテリーともに間違いなくここまでで最高のパフォーマンス、そしてかずまも大事に1ラップ目を帰ってきました!

そして、タイムボードに表示されたタイムに、会場がどよめくー

「関西代表・毛利選手 なんと15秒893をマーク!
 ここまでの予選トータルでトップに躍り出ました!」

のアナウンス!
やってくれました!前日までのトップタイムを破り一気に暫定ポールタイムです!

やはり他の選手もタイムを続々とあげてきますが、かずまのタイムを更新するには至りません。
逆にチャン選手は前日の3ヒートに「少しパワーダウンしているか・・・?」という印象を受けましたが、この日も同じ印象を受け、ステファン・S選手ともこのラウンドの中盤〜後半でバトルになる場面もありましたが、少し挙動がナーバスなようにも見えたので、これはチャンスかもしれません。
そしてこの7ヒートをトップタイムのまま終え、8ヒートの結果を待ちます。

そして緊張の中8ヒートがスタート、このヒートではやはりステファン・L選手とジョセフ選手の海外勢に注目して見ていました。
そしてスタートから30秒、またも場内がどよめきます。ステファン・L選手がかずまを逆転する15秒62をマーク!
これで再び逆転のポールポジションが確定、しかしこのヒートでは他の選手はタイムをあまり更新せず、
かずまの予選ラウンド最終結果はフロントローが確定しました。

それでは、予選最終結果を整理してみることにします。
ポールポジションはドイツのステファン・ラインブルガー選手。タイムは前日のタイムをコンマ5秒近く更新する15秒6。そしてフロントロー、2番手の位置にかずま!タイムは15秒82。チャンスを十分に持って決勝に臨む事が出来ます。
そして3番手の位置には前日までのトップのチャン選手。タイムは15秒9。そして4番手にステファン・ショイエン選手。ここまでが15秒台。かずまをかこむ外国勢、という構図になっています。
そして5番手には最終ラウンドで16秒01のタイムをマークして一気にポジションを上げた四国代表の若林選手が飛び込み、6番手に九州の小八重選手が入り3列目を形成。そして4列目の7番手にはオーストラリアのジョセフ選手と8番手に静岡の伏見選手。最後の5列目に9番手には東京の瀬下選手とこちらも最後の最後でタイムを上げてきた富山代表の浦島選手が並び、この10名の選手で決勝Aメインの3ラウンドが争われることになりました。

ちなみに、もしかずまが最終ラウンドで“タイムをあげられなかったら”と仮定すると、なんとタイムは8番手相当!
それだけ最終ラウンドで多くの選手がタイムをあげたのが分かり、またワンミスが許されない厳しいレース展開となりそうです。

COMMENT FROM かずま&とーちゃん

 ☆予選最終ラウンド

今回のモーターに関しては、今までとは違って1個のみ支給(というか正しくは購入)でした。
 コミュ研ブラシも購入し、メンテはこれのみ。しかも、ブローした場合は交換不可と言う厳しいレギュでした。
また、ブラシ交換も1回のみとあって、どのタイミングで交換するかで迷いましたが予選で少しでも前に行くため、この予選4回目前に交換することに。
コミュ研ブラシでコミュをきれいにして念入りにブラシのあたりを取って、レースへ臨みました。
最終的に、前日よりいい感じに仕上がり、バッテリーもけっこう厳しい充電にも関わらず、温度カットまで上昇していないため追充する時間を計算して準備。
さらにグリップ、旋回性をアップさせるためにダンパー角度を修正して予選4回目に挑みました。

そこでなんと予選最速のタイムをマークし、トップに立ちます。
思わずガッツポーズをとって「よっしゃー!」と叫ぶとーちゃんでした。
走行を終えて操縦台から降りてきたかずまもニッコリで、がっちり握手しました。

しかーし、ドイツの選手が次のヒートでかずまのタイムを抜き、再びトップに立ちました。
この選手、ただただ速いだけでなく、ほんまにうまいです。
コースがブレずに、毎回ベストラインを通っていきます。

そして決勝は2番グリッドからのスタートになりました。


予選ラウンド終了後、大慌てで決勝の準備に入るおとーさんとかずま。
やはりインナー使いまわし作戦のせいで毎ヒート新品タイヤ貼ってたのが時間的にきつかったですね(^^ゞ

<決勝Aメイン・1〜3ラウンド>

そしていよいよ、決勝ラウンドがスタートします。
各クラスのBメインの後、ファイナルの1ラウンドがスタートです。
ワールドチャレンジクラスでいきなり前住選手がリタイヤする波乱があった後、ようやくN1クラスの順番がまわってきました。

かずまは2番グリッド、フロントローからのスタートです。
スタートコールが鳴り、一斉に10台が1コーナーになだれ込みます。
トップスタートのステファン・L選手とかずまが上手く抜け出し、3番手のチャン選手とステファン・S選手が接触し、3番手がステファン・S選手に。4番手以降も少し混乱があったようで、序盤はこのトップ3台が抜け出してトップグループを形成します。

レースは、序盤からTQスタートのステファン・L選手にかずまが必死にくらいついていく展開でしたが、徐々に差を広げられていってしまいます。
逆に、3番手から追い上げてきたカーナンバー4番、ステファン・S選手と激しいバトルになります。

レースが動いたのはスタートから2分が経とうとしていた頃、必死に押さえてきたかずまがついにラインを外してしまい、ポジションが入れ替わります。
しかし、ここで諦めずに必死にプレッシャーをかけ続け、今度はついにステファン・S選手がミス!
これで焦ったステファン・S選手はストレートでかずまをプッシュしてしまい、10秒のピットストップを課せられて勝負あり!
トップゴールは序盤から一気に逃げ切ったステファン・L選手。そして2番手ゴールにかずま!
3位には中盤、セカンドグループのバトルを勝ち取った伏見選手、4番手には小八重選手が入り、差のない5番手にステファン・S選手という1ラウンドの結果となりました。


決勝1ラウンド、スタート前のかずまの表情です。
このラウンドがやはり緊張のピークですね。

続いて休む間もなく2ラウンドです。
ここでステファン・L選手にトップを取られるとチャンピオンが確定してしまいます。なんとか止めないといけません。

1ラウンドが終わり、車を回収してピットへ走り、大急ぎで準備を進めます。
タイヤを裂いて、新しいタイヤ貼って、その間にモーターのバランスを見直してメンテして・・・
ギリギリ準備が間に合い、いよいよ勝負ヒート、2ラウンド目のスタートです。

2ラウンド目も上手く抜け出して1周目はステファン・L−かずま−ステファン・S−若林選手のオーダーでレースがはじまりました。
チャン選手はやはり前日からのパワーダウンが本当だったようで、苦しい展開でなかなか上がってくることが出来ません。
レースはやはりトップのステファン・L選手、かずま、ステファン・S選手の3人が抜け出し、1ラウンド目と同じような展開でレースが進んでいきます。
このラウンドでは3台がスタート後、それぞれ1秒間隔で連なっていく展開でした。
レースが動き出したのは周回遅れが出だした10周目あたりからでした。
「トップの利」といった感じでステファン・L選手がロスなく抜けていくのに対し、どうしてもかずまとステファン・S選手はバックマーカーを交わすのに手間取ってしまい、この間にトップから4秒ほど離されてしまいました。
焦りも出だした13周目、やはり勝負のキーポイントになったのはこの「バックマーカー」でした。
交わすときの進入ラインが窮屈になってしまい、パイロンに引っ掛けて痛恨の転等、しかも飛んだ場所がちょうどストップエリアで復帰に時間がかかってしまい、2番手争いから脱落してしまいまいた。
これでライバルの脱落にも助けられた形でステファン・L選手が優勝を決めるトップチェッカー、2位にステファン・S選手が入りこのヒートはドイツ勢の1−2、3位にかずまが入り、4位にはまたしても追い上げた伏見選手、5位には東京の瀬下選手という結果になりました。

このラウンドを終えた時点で、表彰台争いが非常に激しい争いになってきました。
1ラウンド目2位、2ラウンド目3位で5ポイントのかずまは、表彰台の可能性はかなり高くなってきましたが、追いかけてくる選手が2人。まずひとり目が1ラウンド目3位、2ラウンド目でも4位でゴールしている伏見選手、そしてもう一人が1ラウンド目5位、2ラウンド目2位のステファン・S選手です。2人とも2ラウンド終了時点で7ポイントですが、3ラウンドの結果次第では自力で2位までの可能性があります。

優勝の可能性はなくなったものの、自力で2位、そして最後になんとかトップチェッカーを狙い、いよいよ最終の決勝第3ラウンドに臨みます。

そしてスタート!このラウンドでも上手く抜け出し、やはりステファン・L選手を3度追いかける展開に。
後ろから追い上げてくるもっとも怖い存在だったステファン・S選手が上がってきて、かずまの真後ろにつけます。
しかし、スタートでのプッシングの裁定で最後尾に、これで再びがっちり2位をキープする形となりましたが、今度はもうひとりのもっとも怖い存在、伏見選手が3番手に上がってきました。

この時点で2人のタイム差は2秒。
その後、まったくつかず離れずでこの2秒〜3秒の間隔のままレースが進んでいきます。

しかしレース中盤、前に車がいなくなり、伏見選手が徐々にペースをあげてきます。
タイム差が1秒を切り、ギャラリーの注目もこの争いに集まり、素晴らしいバトルになりました。

若干ペース的には伏見選手が速いのですが、かずまもブロックラインでがっちりふさいで前には出しません。
このバトルは2分近く続きました、しかしラスト4周を残したところでついに伏見選手がストレートエンドの1コーナーから続く高速シケインでラインをクロスさせて前に出ます、しかし、かずまもぴったりと後ろにつけてチャンスを待ちます。
そしてファイナルラップ、タイム差は1秒少し、なんとかして前に!と気迫の走りで差を詰めましたがわずかに及ばず、コンマ9秒差の3位でチェッカーを受けました。
しかし、素晴らしいバトルに観客からも惜しみない拍手がおくられました。本当に素晴らしいレースでした。

決勝の全てのラウンドを終えての、最終的な順位を整理します。
優勝は決勝の3ラウンド全てをトップチェッカーで飾ったステファン・ラインブルガー選手。あそこまで速かったら仕方ないか、と僕らに思わせるほど速かったです。
そして、よくやった!の2位には1ラウンド目2位、2ラウンド目3位、3ラウンド目3位で一度もトップ3を外さなかった5ポイントでかずまが獲得、嬉しい表彰台を見事自力で勝ち取りました。
本当に多くの皆さんからの応援をプレッシャーにすることなく、力に換えて勝ち取った準優勝だったと思います。
3位には3日間、お隣のピットでともに戦った伏見選手が3位−4位−2位で入り、表彰台に2人で上ることが出来ました。
おとーさんもかずまも言ってましたが、ピットの雰囲気がよかったからこそこうしていい結果が残せたんだと思うし、その点ではほんとに伏見選手の存在は大きかったんだと思います。

以下、4位にかずまと何度もバトルを繰り広げたステファン・ショイエン選手、5位に小八重選手、6位に瀬下選手、7位にジョセフ選手、8位にチャン・スー選手、9位に若林選手、10位に浦島選手といった結果でした。

COMMENT FROM かずま&とーちゃん

 ☆決勝ラウンド

予選最終のセットを変更せず、もっともフィーリングの良かった旧Bハードを決勝も毎回使いまわすという方法を取りました。
走行が終われば、速攻でタイヤ切り裂いてインナー出して、NEWタイヤ組んで、サンダーあてての繰り返しです。

決勝1回目はなんとかトップに食らいつくも、徐々に離されますが3位以下をがっちり押さえて2位ゴール。
ピット隣の静岡 伏見選手は8番手から怒涛の追い上げを見せました。

2回目は多少混乱もあり3位ゴール。
伏見選手と一緒に表彰台に上ることを約束していよいよ3回目へ。
必死でタイムアップを狙ったことが微妙なラインのブレにつながり、ここでも3位ゴールとなりましたが、なんとか総合で2位表彰台を獲得しました。
めちゃくちゃ嬉しかったです。 というか正直、肩の荷が下りてほっとしたってところです。
ちなみに3位は表彰台に上がることを約束した伏見選手でした。

かずまもすごく満足のいく結果だったようで、二人揃って充実したレースでほんまに密度の濃い、長ーい、そしてあっという間の3日間でした。
今回フルサポートしてくれたシンタローくん、かずまのメンタル部分の緩和剤として和ませてくれたチームSE、ほんまに感謝してます。

そして大量のバッテリーを引き受けていただいたファクトリ−Hさん、そして多くの激励をいただいた皆さんに本当に感謝しています。

この経験を活かして、次は全日本スポマンへ挑戦したいと思います。また応援よろしくお願いします!

この日のトピックス


決勝に臨むてらさんです(右端)。
予選でもトップタイムを出し、決勝のラスト2ヒートでは常に上位争いに顔を出す活躍で、
最終的には6位入賞をゲット!さっすがです!(^^)!

決勝1ラウンド・2ラウンドで見事に3・2位ゴールを決め、
GTクラス国内勢最速、の3位表彰台をゲットした高谷選手です!
今年は全クラスで関西勢がAメイン入りし、活躍が目立った年でしたね!

“ワールドチャンピオン”のタイトルがかかったN1・GTの両クラスの今年のチャンピオンの2名。
左がN1クラスのステファン・ラインブルガー選手、右がGTクラスのロナルド・フェルカー選手ですね。
2人とも予選TQから3ラウンドトップのカンペキな優勝でしたね。
そういえば、フェルカーは2年前のF1クラスのチャンプなんですが、この時も鬼っ速でしたわぁ・・・
(シンタローがモーターを触らせてもらった桑波田選手が3位でしたね〜。懐かしい。)

<エピローグ>

終わってみて、あらためて「あっという間」のレースでした。

目標、としていた表彰台も取れて、最高のレースになったのはもちろんですが、レース中にほんまに多くの人から「頑張れ!」「応援してるぞ!」とメールや電話をもらえて、これだけ多くの人に支えてもらったからこそここまで走れたんじゃないかな、と思います。

結果は優勝ではなかったですけど、それ以上に多くのものを得て帰ってくることが出来たレースだったと、胸を張って言えるレースが出来たことが本当によかった、と思います。

あらためて、最後になりましたが

応援いただいた皆様、ありがとうございました!


表彰式直前のかずまの表情です。
レースも終わり、リラックスして呼ばれるのを待っております(^^)


N1クラス・表彰台の3人です。
左から伏見選手・ステファン選手・かずまですね。
3日間を戦い終えた気持ちのいい笑顔で表彰台に立ってますね〜(^^)


レースを終え、全員で記念撮影です(^^)
ほんまにみなさんおつかれさまでした!

そして、これからもRCを楽しんで、また頑張っていきましょう!

Special Thanks

Factory H
RC ADVISER CHAMP

AND YOU!


< 完 >

Text & Photo By Shintaro Engineering
Photo By M.Uehara & K.Ichikawa